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日々のこと

読むことの周辺

以前、プレゼントでいただいた栞たち。それぞれ柄が異なります。

 

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本を読み終えたら、はさんだままにしています。次に本を開くときに、自分が「あっ」って思うように。ちょっとした楽しみ。

もうどの本にどんな栞をはさんだか、ほとんど忘れています。

 

得体の知れないところのあるものが好きです。音楽でも、文学でも。

不思議なもの、奇妙なもの。よくわからないもの。

自分が触れることのできない部分まで、含まれているものが好き。手の届いてしまうものでなく。

そんな物語が好きで、自分で書いてもいます。

 

東雅夫さん編集の小説のアンソロジーが好きで、何冊か読みました。東雅夫さんはご自身を「アンソロジスト」と呼んでいらっしゃって、それがおもしろいなと思います。

自分が物語を書くのでなくて、集めてきてひとつの本をつくる。そこに立ち上がってくる世界がある。

 

ひとつひとつの小説もおもしろいのだけれど、いくつかまとまっているとひとつの流れというか、ゆるい連なりとなって自分のなかに入ってくるので、それぞれ別の場所で出会うのとはまた違った印象を受けるのだと思います。

 

アンソロジーは、森みたいなものなんだと思います。森って、それ自体、何を内包しているかよく分からない、得体の知れない感じがするし、触れ得ないもの、尊いもののような感じもします。

 

アンソロジーで出会った作家の、他の小説をまとめて読んでみると、アンソロジーのなかの作品から受けた印象とは結構違った、ということもありました。それもおもしろいです。

 

他の方のブログを読むときも、いろんなひとの最新記事を順に読んでいるときと、ひとりのひとのブログを過去に遡って読んでいるときとでは、同じ記事の読み方も結構変わるなと思います。

私はわりと過去まで遡って読むのが好きです。何年もずっと書かれている方だと、ものの捉え方とか表現の仕方とか、どんなことを書くかということも変わっていって、ひとりのひとの、そういう変遷を見ることができるのってすごくおもしろいし、貴重なことだなと思います。

 

ギャビーも敷き毛布のしたに隠れているとき、こっそり人間の本を読んでいるかもしれない。

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